オリーブオイルのパワー - 1日、スプーン1〜2杯から

オリーブオイルのパワー - 1日、スプーン1〜2杯から

高齢になっても大変元気なことで有名な医師が、自らの健康法に「毎日オリーブオイルをスプーン1杯摂取している」とメディアで話したことから、オリーブオイル健康法が静かなブームとなっています。さてオリーブオイルは、脂肪であり「油」なのに、本当に健康に良いのでしょうか? その真実を探ってみましょう。

脂肪酸は大きく分けて2つ

 オリーブオイルは油脂であり、脂肪酸です。脂肪酸には大きく分けて2つの種類があります。ひとつは飽和脂肪酸でもうひとつは不飽和脂肪酸と呼んでいます。

飽和脂肪酸は乳製品、肉などの動物性脂肪や、ココナッツ油、やし油など熱帯植物の油脂に多く含まれています。重要なエネルギー源であると同時に、飽和脂肪酸の摂取量が少なすぎても多すぎても生活習慣病のリスクを高くします。少なすぎると脳出血をおこす可能性があります。

一方、多すぎると血液中のコレステロール値を高め、冠動脈疾患、肥満、糖尿病をまねく可能性があります。外食が多い現代の食生活では、知らず知らずのうちに摂りすぎる傾向にあるので、意識的に適度な量を心がけることが必要でしょう。

オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸

一方、不飽和脂肪酸にはコレステロールを低くする働きがあるといわれています。不飽和脂肪酸には、一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸※1があります。オリーブオイルは、一価不飽和脂肪酸にされ分類されます。 動脈硬化の原因となる悪玉コレステロール値(LDL)を下げ、動脈硬化の防止に役立つ善玉コレステロール値(HDL)は下げず、維持するという理想的な性質が特長です。多価不飽和脂肪酸の方が、悪玉コレステロールを減らす作用は強いのですが、善玉も同時に減らしてしまう欠点があります。

※ 1 多価不飽和脂肪酸
魚の油に多く含まれるIPA(イコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)が代表的。えごま油やなたね油などに含まれるα-リノレン酸もこの仲間。

オリーブオイルは現代人に有効な成分の宝庫

オリーブオイルの主要な成分は70%を超えるオレイン酸です。非常に安定性が強く、酸化しにくい性質があります。オレイン酸の最も代表的な効果は、血液中の善玉コレステロールには作用せずに、悪玉コレステロールのみを除いてくれることです。これにより、動脈硬化や心臓病、高血圧に効果的だといわれています。若々しい血管年齢を維持でき、心筋梗塞、脳卒中などの心血管病の予防に役立つと考えられています。

またビタミンA・K・E・D・Eも豊富に含まれています。その他にβカロチン、ポリフェノールなどの抗酸化物質が含まれ、細胞の老化を防ぎ、体の内側から若さを保つ働きがあります。さらに抗酸化作用により痴呆症、老化といったアンチエイジング効果も期待できます。

胃に負担がかかりにくい性質から、胃炎や胃潰瘍の治療にも使われていたこともあり、腸の働きも活性化するなど、便秘にも効果があるといわれています。

オリーブオイルは、まさに現代の私たちの生活に有効な成分の宝庫だといえるでしょう。FDA(米国食品医療品局)では、1日に大さじ3〜4杯の摂取を、推進していますが、欧米人と日本人では体の構造が異なるため、一日あたり大さじ(15mL/杯)1〜2杯が国内での推奨量です。

特に抗酸化作用の強いフェノール類を多く含むエキストラバージン・オリーブオイルをおすすめします。ただし、オリーブオイルは他の植物オイルと同様、10gあたりのエネルギー(カロリー)量が92.1kcalですので、動物性脂肪(飽和脂肪酸)の摂取量を少し控える方がよいでしょう。